鮎解禁直前ダウンリバー in 日置川
May 2005

photo by akiさん
ほんの偶然に、たまたま訪問したサイト。そこには、全く知らない想像もしなかった世界が広がっていた。カヌーでダウンリバー・・・それも川底まで透けて見えるくらいの驚くほど綺麗な川、川、川・・・。生涯二度目の一目惚れ状態に陥って、そのサイトのアンケートフォームからカヌーについての質問を。まさかこんな時が来るとは、その時は思ってもみなかった。あれから3年・・・カヌーの世界に足を踏み入れるきっかけとなったサイトの、ウェブマスターさんご家族とのダウンリバーの日がやってきた。実は昨年キャンパーの進水式の際に、ご一緒頂くようお願いをし快諾して下さったのだけれど、台風によるダメージにより川での進水式は中止に。その後、何度かご一緒する機会は会ったけれど、双方のスケジュールがなかなか合わずに実現はしなかった。やっと、ご対面の日がやってきた。小雨そぼ降るあいにくの天気だったけれど前回来た時よりも、数段綺麗な水質の日置川が僕たちを出迎えてくれた。

スタート地点、宇津木橋下の河原
今回は様々な理由で、早めにダウンリバーをスタートしましょうとakiさんと打ち合わせをしていた。前日からキャンプされている向平キャンプ場へと、早朝(かなり...笑)自宅を出発。7時少し前にキャンプ場に到着。が、到着予定時間を電話で連絡もしないでいきなりお邪魔したものだから、朝食後のまったりタイムを愉しんでおられたaki家の皆さんには大変申し訳ないことをしてしまった。急いで片付けやらダウンリバーの準備にかかるaki家を見て大反省!(aki家の皆さん、御免なさい)ご挨拶も済ませ、早速今回のスタート地点、宇津木橋へと、移動。いよいよaki家との、ダウンリバーのスタートだ。
「えっ?日置川ってこんなに綺麗だった?」と、akiさんが思わず口にするくらい、川底までしっかりと見えるほどの透明度。少し雨が落ちてはいるけど風も無く、コンディションとしては抜群の部類に入るようだ。なんだかそんな状態の川に居れるだけで、とっても愉しい気分になって来る。おまけにうっすらと霧がかかって、まるで水墨画の中を漂っているよう。適度な流れも、初心者マークパドラーズにとってはありがたい。しばらくはakiさんたちの後をゆっくりとついて行き、このなんとも幻想的な世界を堪能する事に。しばらく進むと、八草の滝へと通じる岸が見えてきた。みんなで滝まで行ってみようと、接岸。プチトレッキングの始まり、始まり〜。
抜群の透明度  photo by akiさん

八草の滝への岸に向かう
「この時期やから、マムシが出るかも知れんから気を付けて!」akiさんの言葉にビビリながらも、みんなの後を必死でついて行く。途中小さな石組の祠に手を合わせ、しばらく行くと滝が見えてきた。なかなか、壮観!「雨の後で落石の可能性があるから、滝の真下には行ったらあかんで!」と、akiさんがMasa君に注意。その言葉に“ドキッ!” 滝の下まで行ってやろうと目論んでいた、僕の心見透かしたようなタイミングだった。プチトレッキングを終えカヌーの元へ。さっ、ダウンリバー再開だ。カヌーに乗り込もうとしていると、「えび!」ともちゃんが叫ぶ。素手で捕獲にチャレンジするが、残念ながらGET出来なかった。あきらめて、カヌーで川へ戻る。
すると、ともちゃん今度は瀞場をゆっくりと探索して、岩の切れ目のの所で動きが止まった。「いけすみたい!むっちゃ、魚がいてる!」瞬時にaki家の面々が、ポイントへと集結。(我が家は、すぐに動けるだけのテクが無いので出遅れる・・・涙) 本気で捕まえる気らしい。とうとうMasa君にいたってはほんの少しの足場に接岸上陸して、かぶっていた帽子を網に見立てて魚を追っていた。結局、獲物(?)をGETできなかったけど、ここのポイントは頭にインプットしておこう。水深4m位の川底まで、澄み切っている。獲物がたくさん居る。絶好の遊び場だ。次来る時は、ここでとことん遊んでやるぞ!Masa君もついにあきらめて、再乗船して離岸。何気なく離岸しているけれどよく見ると、スカーリングでの離岸。中学1年生にして、恐るべきテクニックの持ち主だ。当然、僕は上手く出来ません、スカーリング(涙)!ちゃんと練習しとかないと、Masa君に付いて行けずに置いてきぼりにされそうだ、ヤバイ!自分の意のままにカヌーが操れたら、もっと面白いだろうな・・・。まっ、あせらず一歩一歩やってくことにしよう。けど、上手だよな〜、Masa君もともちゃんも。Azuちゃんのソロは今回なかったけど、きっと僕たちより上手だろうな。
八草の滝にて  photo by akiさん

いけすポイント発見に興奮のaki家

いけすの獲物を狙うMasa君

リベンジ!  photo by akiさん
akiさんのバウを務めているんだから、川を読む目も当然僕らより優れているよな・・・。凄い小学生だな!などと思いながら、快適に川を下って行く。“ざーっ”という水の音が、ひときわ大きく聞こえてきた。そう、もう少し行くと瀬があるポイントまで来ていた。その瀬は前回Mamaと2人で下った時に、回りきれずに左岸に乗り上げた所。我が家のキャンパーに、緊張が走った。先にakiさんがクリアーしエディーに船を入れ、万一に備えてくれている。akiさんのルートをトレースすれば何とかなるだろうと、Mamaとコミュニケーションをとりながら瀬に入って行く。前回よりも水量が多く随分感じが変わってたが、何とか必死のパドリングでリベンジを果たす事が出来た。
Mamaと僕にとっては、凄い達成感があった。無茶苦茶、嬉しかった。我が家に続いて、Masa君とともちゃんがトライし難なくクリアー。いとも簡単に、普通にクリアー。「やっぱり、レベルが違うわ。」と思いながらも、この程度の瀬でどきどきして、凄くワクワクして、クリアーした後にはメチャクチャ嬉しい気持ちになれる我が家は幸せかも知れないと負け惜しみ的な考えに浸りながら、再び川を下って行く。遊園地で絶叫マシンを降りて「あそこ、怖かったね!」「そうそう、3回転目なんか凄かったよな!」とか、映画を観終わって「あのシーンさ、後々への伏線になってたんだよな・・・」とか、ゴルフで昼食を食べながら「5番ホール、ほら右ドッグレッグのロング、
コーディーも慣れてきた?  photo by akiさん

カヌー鬼ごっこ
あの時のセカンドショットがさ・・・」とか言って愉しむように、カヌーの上で僕らも「前来た時と、川の流れ違ってたよな?」「そうそう、前はもっと右側から左岸にかけて流れが速くて、落ち込みも少しあって・・・」「うん、今日は早めにバウを右に振って行ったあのルートで正解やったな。」ってな風に一丁前に自分たちを客観的に評論してしばらくの間、楽しんでいた。(その内容は詳しく書けません。いい加減でお恥ずかしい内容ですので・・・)
それから瀬も無く変化に乏しい状態が続き、少々Masa君・Azuちゃんが退屈してきたご様子。するとakiさんがトロ場にさしかかった所で、「鬼ごっこ、やろうか?スターンにタッチしたら負けな!」
急遽、水上鬼ごっこの始まり!右に急旋回したかと思えばバックするは、タッチされそうだと思うとその場でくるっと方向をかえるは、3艇が入り乱れての大乱戦!ん、3艇入り乱れて?そうです、当然我が家に参加できるだけのテクニックがあるわけでなし、少し離れたところから乱戦の様子を観戦(笑)。ふと気が付く、そうかこんな風にして遊びながら、自然とカヌーを思い通りに操るテクニックを身に付けていくんだ。なかなか、上手い教え方だな。akiさん、やりますな!いい指導者ですね。いろんな所で、遊びながら身に付けさせるこのやり方は使えそうだ。これ、頂いときます!鬼ごっこの後は、まったりダウンリバーの続き。しばらくは、穏やかに下って行く。
photo by akiさん

オールドタウン・レッズ!  photo by akiさん
もうそろそろかなーっと思っていたら、やっぱ現れた。例の堰堤だ。まずは、右岸の広い河原に接岸し「どこからボーテージしようかな?」と考えていると、akiさんがスカウティングに堰堤の方に歩いて行った。左岸側の開口部の所まで行ってしばらく、川の中を覗き込んでいた。こちらを振り向くと、「大丈夫!川の中に岩もブロックも無いから、ここから通れるよ!」ただ堰堤を越えるときに、ブロックで船底をする可能性があるルートがあるので気を付けた方が良いとのことだった。白波がたくさん立っていて、ロケーションから言っても本で読んだことがあるバックウォッシュだと思って聞いてみると、確かにバックウォッシュだが、@規模が非常に小さい。A落差がそれほどない。B白波の下に岩やブロックがない。

堰堤を越えて行く  photo by akiさん

穏やかにダウンリバーのaki家
これらの理由で、そのまま通過可能と判断したそうだ。万一のときのためにakiさんが最初に下って、カヌーから降りて待機してくれていた。Masa君、ともちゃん共に無事通過し、いよいよ我が家の出番。船底をすらないように慎重にコースをトレースして、一気に瀬に突入。大きくバウが沈み、次の瞬間反動でバウが跳ね上がる。(乗っている本人談。見ている人には、そんなにたいそうには見えないと思う...笑) 不思議と恐怖心は無かった。凄く、楽しかった。小さな子供が遊園地で、「もう一回乗る!」と駄々をこねている心境だった。さすがに、もう一度と言うわけには行かないけれど、それほど面白かった。akiさんの慎重なスカウティングと冷静な判断のお陰である事は、言うまでも無い。
堰堤越えの興奮が落ち着いてくると誰からとも無く、「お腹、空いた。」の声が。お待ちかねの、ランチタイム。お湯を沸かして、カップ麺とおにぎりをほおばる。少し肌寒いコンディションだったが、Mamaが作ってきたみかん入りゼリーをお勧めすると皆さん綺麗に食べてくれた。そしてしばらくトークタイム。我が家のことを知ってもらうには短すぎる時間だったが、ボロが出なくてこの位でちょうどよかったかも(笑)。以前から欲しいと思っていたパーコレーターに話題が及んだ時、使用感など色々質問してみた。「粉が底にたまるので、結構粉っぽい。」 (ともちゃん談) 「焚き火にかけておくといつでも暖かいコーヒーが飲めるし、何より絵になる。」(akiさん談)
ランチポイントにて  photo by akiさん

少しは余裕が?  photo by akiさん
どうも男性(akiさんと僕だけかな?)は機能性や実用性よりも、お気に入りのグッズに囲まれてお気に入りの場所に居る自分を想像し、酔いしれる傾向があるようだ。だからついつい何をするにも、格好から入ってしまう。そんな話になってともちゃんとMamaが意気投合し始めると、akiさんと僕は心なしかうつむき加減になっていたような気がする(笑)。旗色が悪くなったからと言う訳ではないが、そろそろダウンリバーを再会する時間に。ランチポイント前の川は、結構な速さで流れていた。ほとんどパドリングしなくても、心地よい速さでカヌーは下流へと推し進められる。楽チン、楽チン!何箇所かの瀬も、余裕が出てきたのか無事クリアー。
一箇所、小さな中洲の倒木に気が付くのが遅れ、倒木の方へと突っ込んでしまった。が、先にクリアーしていたakiさんが倒木の所で待機していてくれて、我が家のバウを手で押さえ回避できるように方向を振ってくれた。短い時間ではあるが我が家のスキルを把握して、事前にトラブルの可能性を判断し、そこに居てくれたのだろう。本当に感謝!感謝!お陰で愉しいダウンリバーを、経験する事が出来た。
ゴール地点が見えてきた時、真剣に思った。
「もう終わりか・・・、上がりたくないな〜。」

無事ゴール  photo by akiさん

ゴール地点の安居橋にて・・・photo by akiさん
恋焦がれた女の子に逢いたくて逢いたくて・・・、せめて声だけでも聞きたい。勇気を出して、電話をかけてみる。彼女はいなかった・・・。どこへ行ってるんだろう、もう一度電話しようか・・・でも家の人に迷惑かな・・・。それに何度も電話して、変に思われてもいやだしな・・・。やっぱり電話しよう、・・・でももうこんな時間。電話するには、時間が遅すぎる。今日は、寝よう。でも、なかなか寝付けない・・・。明日朝、もう一度勇気を出して電話してみよう。もう、彼女は眠ったかな?
携帯電話など無かった時代になんとも切ない、胸が苦しくなるような思いをした事を思い出した。

akiさんは、僕たちにカヌーを教えてくれた言わば、恩人。進水式から、様々な事情でご一緒が叶わなかったが、やっとの思いでご一緒する日を迎えた。リアルaki家は、想像していた通りの素敵なファミリーだった。是非、またご一緒させて頂きたいものだ。でももうちょっと、我が家のスキルアップが必要かな?

やっと叶った、ツーショット!
2005/5/22